運命のヒト
水嶋への陰口はなくなったけど、俺は相変わらず真面目に授業に出ていた。

あとちょっとだしな・・・。


ちょっとでも、水嶋と同じ時間を過ごしたい。

同じ空間にいたい。

だけど、最近、水嶋の様子が変なんだよな。

様子っていうか、態度が・・・。


健二とは普通に話してるくせに、俺とはあまり話してくれねぇんだ・・・。

俺と目が合うとすぐにそらすし。


俺、何かしたんだろうか?

やっぱり、俺のこと嫌いになったとか?


神田のこともあるし、何か考えてるんだろか?

そんなことを思ってると、いきなり健二が走ってやって来た。


「優士、喜べ!!
 桃子からお誘いがあったぞ!!!」

「・・・えっ?何て?」

いきなりすぎて、どういうことか分からない。


「だからな、桃子がお前と話したいって」

「それって、マジか?」

俺は、驚きを隠せなかった。


「昼休み、倉庫の裏に来てってさ~!!」

健二は自分のことのように嬉しそうにそう言った。


「倉庫の裏やけんって、変なことすんなよ?」

「健二じゃねぇし、んなことしねぇよ!」

「桃子の話、聞いてやってな・・・」


健二は、優しい顔でそう言った。


そんな健二の優しい顔、初めて見るし・・・。


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