運命のヒト
昼休みが待ち遠しかった。

水嶋、どうしたんだろう・・・?


楽しみな気持ちはすげぇでかいけど、不安な気持ちもかなりでかかった。


そして、給食も終わり、俺は健二に連れられて倉庫の裏に向かった。


・・倉庫の裏・・・。


何で、水嶋がここを選んだかはだいたい検討がついた。

ここだと、周りからは見えない。

誰からも見えないってこと。

唯一、誰にも気付かれない場所。


水嶋はきっと、俺と会ってるとこを誰にも見られたくないってことだ。


そう思うと、なんだかすげぇ苦しかった。


健二は、俺と水嶋を会わせると、すぐに帰っていった。


俺はどうしたらいいのか分からずにそこに立ち尽くしていた。



「いきなり、ごめんね?」

水嶋が、声をかけてきた。

水嶋が俺を見てる・・・。

やっぱり、すっげぇ照れ臭い。


「おぉ~」

俺は、照れてねぇぞって顔でそう言った。


「ここ、座る?」

「おぉ~」

水嶋に指を指されて、コンクリに座った。


俺が座ると、水嶋も座ってきた。


だけど、俺達の間には何ともいえない距離があった。

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