運命のヒト
「その指輪・・・」

正が指差す先には、キラリと光る指輪があった。


「あぁ・・・」

俺はそう言って、指輪を見つめた。


できれば、話したくない。

水嶋のことを話すと、また苦しくなる。

でも、正は俺にとって大事なダチ。


俺は、正に水嶋とのことを話した。


久しぶりに水嶋のことを誰かに話す。


俺の気持ち、正は分かってくれただろうか?

まぁ、分かってくれなくても別にいいけどな。



俺が話し終わると、

「優士、お前、見かけによらず一途やな!」

正はそう言って、俺の肩を叩いた。

「はぁ・・・?」

正の言葉を聞いて、俺は気が抜けた。


「いんじゃねぇの、ずっと好きでおったら」

そう言われると、すげぇ気持ちが楽になった。


ずっと胸につかえてた何かが少し軽くなった。


俺は、この先もずっと水嶋のこと好きでいていいのかよ?

正は、いいんじゃねぇの~って言ってくれた。


俺がずっと言ってほしかった言葉。


正、ありがとうな。


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