運命のヒト
「どの質問?」

なぜか水嶋は、俺を見ずに遠くを見ながら聞いてきた。


・・何だよ・・・。


「どれってゆうか・・・」

俺は自分で聞いておきながら、なんて聞いたらいいか分からなくなった。

さっき俺が聞いたのは流れでって
いうか・・・。


「全部、ゆぅ君と一緒の答えだよ。
 でもね、学校は好きじゃなくて
 大好きかな?」

俺が困ってると、水嶋はそう言って笑ってた。


「なんだそれ?」

水嶋が学校大好きだって言うからウケた。


「あぁ~、俺も大好きかも・・・」

気付けば俺は、そう言っていた。


でもこれは・・・。


水嶋のことが大好きだって意味だからな。

学校が大好きだって意味じゃねぇからな。


まぁ、水嶋がいるから学校もすげぇ好きになったけど。


そのことが水嶋に伝わってるといいけどな・・・。


でもきっと、伝わってなさそう。

水嶋、鈍感だからな・・・。

健二の気持ちも、ってか、俺の気持ちさえ気付いてないと思う。


俺にとって水嶋はすげぇ大事な人で、それを今日一緒に話して、改めてそう感じた。


水嶋の笑顔が好きで、だからその笑顔を絶やさないように俺が守っていきたいって思ったんだ。


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