運命のヒト
・・・さすがに眠い。

俺は眠たい目をこすりながら、学校へ向かう。


隣には、いつものように健二・・・。

「で、お前はいつ桃子に告るつもり
 なんや?」

健二がニヤニヤしながら、聞いてきた。

「はぁ?まだ告らねぇよ。
 神田のこともあるしな・・・」

「そうなんか?」

「っていうか、お前、この前水嶋が
 悩んでるけん、気長に待ってやれって
 言ったやんけ!」

「だけどよ・・・」

「ちゃんと、考えとるし・・・」


健二にはまだ言ってねぇけど、俺は着々と計画を進めている・・・。


水嶋に告白するための計画をな・・・。


最近は、ケンカもしなくなった。

正直にいえば、仕事で疲れてそんな体力がないだけやけど・・・。

その前に、遊ぶ時間さえないしな。


そろそろ、健二に話そうと思った。


「俺な、実は今、仕事しとんや・・・」

俺が話し始めると、案の定、健二は驚いた。

「はぁ?仕事?」

「おっちゃんとこでな、働かしてもらってる
 んや」

「何でや?」

健二が不思議そうに聞いてきた。


「実はな、指輪を買おうと思ってな。その
 指輪渡して、水嶋に告ろうと思ってる・・・」

俺がそう言うと、健二が叫び始めた。


「優士、マジかっけぇ~!!!」

「お前、うるさいわ!!」

「俺、お前に惚れた~!!!」

「お前に惚れられても困るし・・・」


健二はなぜかすげぇ興奮していた。

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