運命のヒト
「ってか、その水嶋ってそんなにいい女
 なんか?」

「まぁな・・・」

俺はそう言って笑った。


「俺、水嶋、見てみたいわ!」

正がそう言うから、俺はこう言った。

「見せてやろうか?」

「えっ??」

正は目を丸くしてびっくりしていた。


俺はそんな正を見て少し笑ってしまった。


だけど、もっとびっくりするぞと心の中で思った。



俺は、財布から一枚の紙を出した。


これは、あの日の写真。


「コレ・・・」

そう言って、その写真を正に渡す。

「へぇ~・・・」

正はそう言って、写真を眺めていた。


この写真は、中学の卒業式のときの写真。

俺と水嶋が二人並ぶ2ショット。


あの時、すでに俺と水嶋は別れていたけど、健二が気を利かせて、俺ら二人の写真を撮ってくれた。


「かわいいだろ?」

俺がそう言うと、

「まぁまぁな・・・(笑)」

正はそう言って笑った。



この写真は俺の宝物。

ずっと、財布の中に入れている。


「でもお前、その写真、しわしわやんけ!」

正はそう言って笑う。

「そうなんだよな・・・」


正が言うように・・・写真はくしゃくしゃだ。


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