運命のヒト
今日は、水嶋の入試の日。

入試が終わったら、学校に来るはず・・・。


「今日、俺、ずっとここにおるわ」

「桃子を待つってことだろ?」

「まぁな・・・」

俺は、下駄箱で待つことに決めていた。

健二も俺に付き合ってここで待ってくれるらしい。


あれからずっと避けられているけど、入試が終わったら話してくれるだろうと思った。


「俺な、水嶋に告ろうと思ってるん
 やけど・・・」

とうとう、健二に言ってしまった。

「おっ、マジか?」

「おぅ。仕事も無事に一ヶ月終わったし。
 水嶋の入試も終わったしな。
 卒業まであとちょっとしかないし・・・」

それに、もうあいつらに絡まれたりしねぇように・・・。

俺がずっとそばにいてやりたいから。


「そうやな。
 まぁ、がんばれや!」

「おぅ!!」


指輪は俺の好きなあの店で買った。

一応、ブランドものではあるけど、そんなに高価なものではない。


だけど、俺の気持ちはすげぇこもってる。


一世一代の告白。


水嶋は受け取ってくれるだろうか・・・?

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