運命のヒト
入試を終えてから、また水嶋と前みたいに一緒にいるようになった。


そして、俺は今日、水嶋に告るつもり・・・。


つーか、告る。

指輪もちゃんと持ってきた。

ちゃんとポケットにスタンばっている。


隣の席に座ってる水嶋を見た。

今日もかわいいし・・・。


「水嶋、昼休みちょっといいか?」

俺は、そう声をかけた。

「へっ?いいけど・・・」

「じゃ、あそこに行っといてな」

「あそこって・・・?」

あそこっていうのは、俺にとって大切な思い出の場所。


「裏やって、俺らがずっと前話したとこ!」

「あぁ~、裏ね・・・」

「じゃぁ、先に行っといてな」

あの日のように・・・。


みんなの目が気になるだろうし、先に行ってもらうようにした。

すると、水嶋は思いがけないことを言った。


「なんで、一緒に行かないの?」

「ってか、見られるとヤバイだろ?」

俺がそう言うと、水嶋は不思議そうな顔をした。


「一緒に行こうよ!」

水嶋が笑ってそう言うから、俺はびびった。


一緒に行ってもいいのかよ?

そう思ったけど、おぅと答えた。


水嶋が一緒に行こうなんて言った時はマジでびびったし。


どういう気持ちで言ったんだ?


少しは期待してもいいのか?


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