運命のヒト
嫌いなところなんて何一つねぇよ?


・・・水嶋の笑顔が好き。

すっげぇ可愛いくせにすれてねぇ性格。

冷たいところもあるけど、本当は優しくて。

強がりなところだって好きだ。


人のことをすげぇ考え過ぎるとこもあるよな?

でも、それが水嶋のいいとこだと思う。

授業中ボ~っとしてる顔も好きだ、
真剣に本を呼んでいる姿も好きだ。

大森達と話してる楽しそうな顔も好きだ、
嫌々トイレ掃除をしている姿だって好きだ。


・・・水嶋の隣が俺の居場所。

ヒロや健二と楽しそうに笑い合っていると、ムカついた。


だけど、その笑顔でさえ、俺は好きだった。


照れてる顔も、笑ってる顔も、泣いてる顔も、すねてる顔も、怒ってる顔も・・・・・
やっぱり好きで・・・。

おれは、水嶋の全部が好きだ。


「私もゆぅ君のこと全部大好きだよ!!」


水嶋もそう言ってくれた。

すっげぇ、すっげぇ嬉しかった。


何があっても、俺がそばにいる。

俺が守っていく。

その気持ちに、嘘、偽りはない。


「水嶋、俺ら卒業まで、あとちょっとしかない
 けどずっと一緒におろうな!」

「うん!」

「卒業したら、俺ら別々やけど・・・」

それでも、俺は水嶋のこと守っていくから、そばにいるから・・・。


そう言おうと思ってると、

「大丈夫だよ」

水嶋はそう言って笑ってくれた。


お互いに気持ちは通じ合っている。


だから、例え別々の道を歩んでいったとしても、俺達は離れない。


この時は、そう信じていたんだ・・・。

< 99 / 177 >

この作品をシェア

pagetop