友情力 ~友との情の力~
君
僕は、いつものように、電車の中で、君のことを眺めていたんだ。
君に気づいて欲しくて。
でも君は、遠い遠い存在で・・・。
君は僕になんか、全然興味はないだろうね。
僕は、西島第三高等学校に通う、2年D組、金嶋 慎《ニシジマ シン》。
そして君は、僕と同じ高校に通い、トップの座を手に入れた、2年D組、高橋 聡瑠《タカハシ サトル》。
君は、イケメンという分類に属している、僕から見たら、高嶺の花の存在だった。
僕は君と友達になりたかった、ただそれだけだったのに。
僕は、君に勇気を出して、話しかけてみた。
「お、おはよう。」
「あんた、誰?」
どうして。
同じクラスでしょ。
どうして僕のこと、知らないの。
「お、同じクラスの金嶋慎。」
「君、D組にいたっけ。まぁいいや。
俺は、高橋聡瑠。よろしく。」
君の、“よろしく”のその一言が僕は、とても嬉しかった。
「高橋くん・・・」
「何」
「僕は何て呼べばいいのかな。」
「聡瑠でいいよ。俺も、慎って呼ぶから。」
どうしてだろう。
今日、君と話したばかりなのに、何故君は、そんなに優しいの。
僕は、君のこと、友達と思ってもいいの。