友情力 ~友との情の力~
「聡瑠。」
君に話しかけてみた。
「何。」
「この前は、あんなこと聞いてゴメン。」
「何、あんなことって。」
「だから・・・その・・・ちゅ、中学のときのこと・・・」
「あぁ、もういいよ。」
「ゴメンね。ありがとう。」
ごめん。ごめん。本当にごめん。
それから1ヶ月が経とうとしていた。
僕は、中学のときの君なんてどうでもいい。
僕は、今の君と友達なんだから。
でも、もうすぐ恐れていたことが起こるなんて、今、思ってもみなかった。
5月半ば、体育際の練習が始まった。
君は見た目もいいのに、運動神経もいい。
僕は見た目も運動神経もだめ。
でも、体育祭はなぜか燃える。
君と僕は、借り物競争に出ることになった。
君に勝てるわけがない。
僕はそう思っていた・・・