DOLL・・・ ~秘密倶楽部~

しばらくすると...
車はどこか建物の
地下に入ったらしく
車内が突然、薄暗くなる

女性の悲鳴のような
不気味なタイヤ音を響かせながら
車は螺旋を描いて
どんどん地下へと潜っていく

一番下の階まで来ると
遮断機が降り警備員が厳重に
管理している


「お疲れ様です。どうぞ」


顔馴染みなのか警備員は
飯岡を確認するとすぐに
自分のパスを通し遮断機を上げた

ビーーー

大きな機械音と共に遮断機が上がると
飯岡は警備員に右手を上げ
遮断機を通り抜け中に入る

そして建物の入り口の前に
車をつけると今度は
駐車係の人が来て飯岡と交代で
運転席に乗り込む


バン!バン!

後部座席のドアを叩かれ


「降りろ」


そう言われ慌てて車を降りると
車はすぐに駐車係の手によって
所定の場所に片付けられた


「行くぞ」


飯岡は建物の中へと入って行く

非常口のような
冷たい鉄製のドアを開けると
真ん中の通路を挟み両側には
番号を割り振られた扉が
いくつも並んでいる


「ここは主に短時間の
 契約時に使われる部屋だ」


飯岡がおもむろに
ひとつの扉を開ける

すると中には
裸で縛られた状態の女の人を
弄ぶ裸の男が驚いた表情で
こちらを見る


「ちょ、勘弁してくださいよ。飯岡さん」


そう言い慌ててドアを閉める


突然の衝撃的な光景に
目を背ける事もできず
凝視したまま
固まるあたしの背中から
サワサワとした悪寒が
全身を駆け抜けていく


「ほら、行くぞ」


飯岡に促され
通路の一番奥にある
エレベーターに乗り込む


 どうしよう...
 あたし...

 本当に...
 こんなこと...

 耐えられるの...?
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