DOLL・・・ ~秘密倶楽部~
誰にも迷惑かけずに
手早くお金になる方法かぁ...

どんなに考えたって
人生経験の浅いあたしには
いい答えは見つからなかった

覚悟を...
決めるしかない..よね...


あたしはカフェオレのカップを置き
宮ちゃんの腕にすがった


「お願いします」


「ブハッ!!
 オホッ!オホッ!オェッッ!!

 だから!!
 ちょっと、あんた!!
 危ないじゃないの!!」


「ご、ごめんなさい
 大丈夫ですか?」


マスターをの視線を
誤魔化す為、宮ちゃんは
わざと大袈裟にむせてみせる


「オホッッ! ゴホッッ!!
 

 ...ここに電話してみて」


背中をさするあたしに
宮ちゃんはこっそりと
一枚の紙切れを手渡した

見ると誰かの携帯の番号が
書かれている


「ちょっと...
 気を付けてよ...
 
 これ、結構な
 シークレットナンバーなのよ

 それにもし、この事が
 マスターに知られちゃったら
 あたしは二度と、
 ココの美味いコーヒーが
 飲めなくなっちゃうんだからね」


宮ちゃんは大袈裟に
周りを気にする様子で
紙を両手で覆い隠す


「これだけの莫大な借金を
 何とかしようと思うなら
 この男を頼るしか
 ないと思うわ...
 
 大丈夫よ
 あんたならきっと...」


「...?」


宮ちゃんの言葉に
不安も覚えたが
この人が紹介する人なら...
そんな思いも芽生え
あたしは渡された紙切れを
強く握り締めた


「いい、用が済んだら
 細かく千切って
 トイレに流すのよ!!」


「...は、はい。」


やけに芝居じみた宮ちゃんに少し
戸惑いながらもあたしは小さく頷いた


 この見知らぬ番号は
 今より幸せに
 導いてくれる?


 それとも...


 モット...
 ドンゾコヘ...?
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