伝えたい
友達と言う言葉に少しチクリと来たけど、

俺はそんなことどうでも良かった。

「だから、もし好きな女の子が出来て、離れて行っちゃったらどうしようって。」

自分勝手なやつだな。

自分は好きなやつがいるくせに。

そう思ったけど、

ありえない話だけど、

俺はそれでもいいと思った。

「なに言ってんだよ、おまえと俺は友達なんだろ?」

すると、青山は静かにうなずいた。

「だったら、急にしゃべらなくなるとか、会わなくなるとか、そんな事あるはずないだろ?」

すると、青山はやっと泣き止んだ。

「ホント、子供みたいなやつ。」

そう言うと、青山は子供みたいな笑い方をしてこう言った。

「私、友達が出来て嬉しかったの。」

「…友達少ないんだな。」

「ひどい!でも」

「でも?」

「ありがとう。」

俺は…

その一言で、全てがどうでも関係ない。

そう思ってしまった。
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