Cannot escape
spoiled
沈黙がうるさかった
暗黒が眩しかった
未来が重苦しかった
傷だらけの
足が腕が過去が
微かな安らぎだった
身がよだつ程の
時の流れを前に
私が選んだのは
服従という
制裁
捕らわれた野獣の情け
それが餌を受け取ること
噛みつく牙を持ちながら
顎の力を隅にやる
時が満ちれば
何もかも引き裂いてやれる唸りが
私を奮い起たせた
その確信すらなかったら
数多の昨日さえ
危うかった
寄せては砕け
さんざめきとどろぐ時のように
凍りきった眼差しで
鏡の中の私の瞳を
睨み付けてた
一瞬の安息はみな紛い物
すぐに裏切られ
そのことに悔しさより
諦めを何より自覚し
麻痺したこの意識を
何とか保つ
それが私の
自己暗示
ささやかな呪い
抗う力など微塵もなかった
微塵も
< 2 / 34 >

この作品をシェア

pagetop