揺れる心
今日は3月2日の月曜日。
また、学校が始まる日。
今日は朝会がないから、教室は賑やかだった。
4時間目の数学の時間、私のノートの上に、1枚の小さな紙が飛んできた。
顔をあげると、睦輝がこっちを見ていたから、睦輝からの手紙だとわかった。
小さな紙を広げようとした、その時……。
「あれ〜?今、千夏さんのとこになんか飛んでこんかったぁ?」
先生に気付かれ、どきりと心臓が鳴った。
「睦輝くんのとこから、千夏さんとこになんか飛でった気がしたけど……」
私は顔を横に振る。
すると睦輝は、「消しかすを投げた」と言って、先生を黒板の前に戻してくれた。
私は真っ赤になった顔を隠すように、顔と視線を下へとうつした。
数学の時間に手紙交換は……危ないね…。うん。
てか、睦輝ももう少し先生の様子見てから投げてね……。
心の中で、そっと呟いた。