揺れる心
「てか、お前飲むのおせーな」
すでにジュースを飲み終わった睦輝が、こっちを見て言ってくる。
「うるさい!……って、何やってんの?!」
「え?何が〜?」
「だ、だって、カン潰してるっ…」
睦輝の手には、ぺしゃんこになったジュースのカンがあった。
それをさらに潰すために、地面に置いて全体重をかけ始めた。
「す、すごっ……」
「お前のも飲み終わったら潰すからかしてね〜」
そう言われたけど、私はちゃんと空き缶のゴミ箱に捨てた。
そしたら……。
「なんで捨てたぁ!潰すって言ったのにさぁ〜」
まぁ、それは軽く聞き流したんだけどね。