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魔法
「すごいですねぇ、桜さん。たったロープ一本と魔法の粉でこんな所につくなんて」
「響さん、桜さんなんてやめてください。私のことは桜とお呼びください」
「じゃあ桜、僕のことも響でいいよ。堅苦しいの好きじゃないから」
「わかりました。では響、倭さんはどうします?時空酔いで苦しんでるようですけど・・・」
桜は少し心配そうな顔で倭を見る。
「あ、それから倭も呼び捨てでいいよ。倭は放って置いても大丈夫じゃない?普段車酔いとかしないほうだし」
桜は響のほうへ向き直って反論する。
「車酔いとは違うんです。時空酔いは目の前をいくつもの星がグルグル回っているような
感じで慣れない人にとってはとっても大変なんです」
「はぁ、どこまでメーワクかけるんだろうねぇ」
見下すような口振りで響が言う。
「うっ、そんなこといってないでだれかたすけてくれ・・・」
地面にペタリと座り込んだ倭が苦しげな物言いで訴える。