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「では、行きましょうか」
「いきましょ」
桜に続き響が繰り返す。
「お、オレをおいてく気かよ!?」
慌てた様子で倭がいう。
「もう大丈夫なんでしょ?ほぉら、早く行かないと夜になっちゃうよ?」
「そうですよ。こちらは、あちらとは少し時間が違うので、もうじきに夜になります。夜になる前にあの街に行かなければ大変なことになります」
追い討ちをかけるように真剣な顔をした桜が続ける。
しかし、倭は首を傾げる。
「夜までって・・・もう夕暮れ時じゃねぇか。それに、あの街まで軽く3,4キロはあるぞ?ムリなんじゃねぇ?」
「無理ではありません」
少しムキになって、キッパリと言う。
「そーそー。早くしないと。倭なんておいていこう桜。大変なことになる前に目的地に着ければいいんでしょ?」
やはり響。頭の回転が速い。
「さすが響さん。その通りです」
「だからぁ、さん付けはダメだって言ったでしょ?」
「あっ、すみません。つい、いつもの癖で・・・」
「まぁいいや。楽なほうで呼んで」
「ありがとう」
そういった会話をしながらも一行は着実に前に進んでいた。ただ一人を除いては。