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「まってくれぇ~」


間延びした間抜けな声が背後からかかる。


「まったく、いつも人より一歩遅いねぇ。いちおう(、、、、)兄貴なくせに」


毒のある口調で響がため息交じりで言う。


「いちおうは余計だ!!」


倭は慣れた口調で響に返す。


この程度の口げんかはしょっちゅうだからだ。


そんな喧嘩をしながらでも足は止まらない。


いや、むしろスピードが上がっている。


倭と響が我先にと競歩並みのスピードで歩いているのだ。


桜はというと、会話にも入らずただひたすら足早に歩いている。

そうでもしなければ、置いていかれそうな速さなのだ。


それに気になることもある。


もうすぐ夜になろうというのにこんな草原の一本道に一人置いていかれるのはまっぴらゴメンだ。







なんといってもココは・・・。
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