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「そうなんです。おもしろい話をするまで開放してくれないらしです。私は実際会ったことはありませんが・・・」
「ふぅん、それなら別にいいんじゃないの?倭なんておもしろい話ばっかりだし」
「なんだよ、おもしろいって」
ちょっとムッとする倭。
おいおいそんなコトより、急がなければいけない旅路ではなかったか?
そんなことはお構いなしに、一行は依然と立ち止まったままで話を続ける。
「だってぇ、この前なんて仕事場で居眠りとかしちゃってぇ、それだけで満足せずに寝言まで言ったって言ってたしぃ。それも職場のみんなに聞こえるくらい大声で。恥ずかしいったらありゃしない。しかもその口走った言葉が・・・」
倭が顔を赤らめ、響の口を塞ぐ。
「だってぇ、じゃない!!俺の恥ずかしい過去をネタにするんじゃねぇ!!」
「途中で終わられるとすごく気になるんですけど・・・」
その言葉に倭はいっそう顔を赤らめる。
まさに茹でたタコの如く。
「もう終わりだ!それより早くしねぇとやべぇんじゃねぇの?あと少しで日が落ちるぞ」
その言葉に一同が我に返る。
「はっ、そう言われればそうですね。早くしないと本当に大変なことになってしまいます。走りませんか?」
「えっ、マジ?走るの?」
心なしか倭の顔が輝く。
それとは逆に響の顔はくもる。