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月の夜
「はぁ、さすがに普段動いてねぇと疲れるなぁ」
息を切らしての第一声は倭だ。
さすが体育が得意なだけある。
それに意外と平気そうな響が続く。
「体育得意の倭でも疲れるんだぁ。僕も疲れるわけだ。でも二十分は僕にとって最高の記録だよ」
「おまえ、やれば出来るのになぁ。普段はメンドクサがってやらないだけだし」
実はそれほど鈍くない倭。
「あはっ、バレてた?バレてないと思ったのになぁ」
実は本気で走ったら倭よりも早かったりする。
「俺の目は誤魔化せんゾ。マラソンの後だって息切らしてんの見たことねぇし」
やはり双子の能力はほとんど変わらないらしい。
ならばナゼ倭は勉強が苦手なのか?
倭曰く苦手というかただやるのがメンドーならしい。
似てる。やはり兄弟だ。
しかし、メンドーに思うのが勉強でなかったなら、倭ももう少しまともな頭の持ち主だったに違いない。
「そんなことはどーでもいいけど、お店ほとんど閉まってるよ?どぉするの桜?」
・・・はぐらかした。