トップシークレット
先ほどの大通りから五分ほど歩いただろうか。
突然少しひらけた場所にでる。
「ここが知り合いの家なんですけど・・・全部閉まってますねぇ・・・いつもはもう少し賑やかなんですけど・・・」
連れてこられた場所は暗くてよく見えないが、宿屋のようだった。
しかし、戸という戸は全て閉められ、ご丁寧に窓までキッチリ閉まっている。
今日はそれほど暑くは感じないのだが、あそこまできっちりと窓まで閉まっていると息苦しく感じる。
桜がドアたたいてみるが、何の音沙汰もない。
「おかしいですねぇ。今日あたり行くかもしれないと連絡したはずなんだけど・・・」
そこへ、倭達の背後から音もなく誰かがずいっと現れた。暗くて顔はおろか性別すら見当がつかない。
倭と響は声にならない声をあげたが、桜はまったく気付こうとしない。
それどころか、どこか開いている窓はないかなど、チェックを始めていた。