トップシークレット
チェック柄のパジャマ姿で納得のいかない顔をした倭が着替え始める。
昨日の黒のスーツ姿とは違い、ラフなパーカーとジーンズという出で立ちだ。
着替え終えてリビングに行くと、見覚えのある人物がソファに座っていた。
黒のストレートの・・・。
倭は必死に昨日の記憶をたどる。
「あんたは昨日の・・・」
「やっぱり知ってる人なんじゃん」
キッチンから出来上がったばかりのリゾットを持って響が現れた。
「ちがっ、昨日信号待ちしてたら反対側で待ってたのを見かけただけだよっ」
倭の言い訳を無視して、響と客が話を進める。
「お急がしいところ申し訳ありません」
客が深々とお辞儀をした。そのお辞儀と同じくらい深く響が礼をする。
「いえいえ。ところで、倭なんかのところへ何の用で?」
「なんかとはなんだよ?」
そう言った倭の言葉はあっけなく無視され、話は続く。