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「実は・・・。申し上げにくいのですが・・・」


客がそう話し始めようとしたとき、一人のけ者にされていることにやっと気づいた倭が叫んだ。


「勝手に話を進めんな!!」


この叫びにはさすがの二人も驚いたようだ。


倭の方を、目を大きく見開いて見ている。


しかし、その目もじきに逸らされ、本題に入る。


「わたくしは桜(さくら)と申します。ある組織の一員で、ただ今重大な任務に就いているのです」


そこまで語って、桜は目の前においてある紅茶のカップを手にする。


たぶん、響が出したものだろう。
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