風使いアシュレイ

「クレア様〜」
召し使いの声がこだまする…
しかし…明らかにクリスの時とは差があった…
「また？？クレア様？？」
「めんどくさい〜」
書斎の本棚の陰に隠れているクレアの傍で…召し使い二人が話を始めた…
「ねぇ？聞いた事ある？？」
「何を…」
「クレア様の事…」
（何よ！！ふん…また悪口…！！お父様に告げ口してやるんだから…）
それは…クレアにとって日常茶飯事だった…
だが………
「なんでも…シーザー様の子ではないらしいのよ？？」
（？？？なに？？何を…言ってるの？？？シーザーって誰？？？…私のお父様は…）
「え！！デマでしょう？？じゃあ？？なんでクロウ様たちは…クリス様と同じように育ててるのよ？？？」
「馬鹿ね…クロウ様が愛していた方の子供だからよ〜皆知ってるわよ〜」
「知らなかった…」
（………な…に？？そ…れ……？？？）
「それだけじゃないのよ〜その女！！ものすごく…性格歪んでたらしいの！！」
「それは聞いた事ある〜先輩に！！だからクレア様が似てきているから〜マスクウェル様は嫌いらしいって…」
（………い…や………やめて………キキタクナイ…………）
クレアは心が壊れそうになった…その時…
「はっ！！………あの…その…申し訳ございませんでした…」
そこにはマスクウェルがいた…
「その話…二度とするな！！！全て嘘だ！！！」
「あ…はい…大変申し訳ございませんでした…」
深々と頭を下げて二人は部屋を去っていった…
そうすると…マスクウェルは…
本棚の方へ近づく…
「クレア様…大丈夫ですか？？」
「うっ…うわ〜ん！！！」
それは初めて人前で見せる涙だった…