風使いアシュレイ
それから…

10年という月日が流れた…
彼女はますます美しく成長し…この国の王として君臨した…
その周りには…四人の護衛を従えていた…

その四人はかつて…
魔族の恩恵をうけ魔術師とよばれた者の末裔…

茶色の髪をたたせ…どこか不器用さをカンジさせるが優しい地の力を操るグランディール
赤い髪を靡かせ情熱的かつ暖かみのあるファインダム
水色の髪をもち冷たく凍てつきそうな瞳をもつウォルグ
そして銀髪で聖女と負けず劣らず美しい容姿…どこか寂しさをカンジさせるアシュレイ

四人の男は聖女とともに希望の星として人々に勇者として崇められた

「皆の者…心して聞きなさい。」
ある日…聖女が口を開いた…

「あなたたちの中に…もう一人魔王と戦う同志として…向かえ入れたい方がいるのです。」

人々がざわめいた…

「お言葉ですが…」
アシュレイが周りの空気を察知し意見した
「マリア様…あなたが…なさろう事…わたくしは反対です…前王のお言葉を思い出し下さい!!」
「……」
聖女は目を閉ざし…
答えた…
「皆の気持ちはわかるつもりです。…人間でないものの…恐怖……。ですが私も半分は違う種族の血が流れています…………。でも…それを憎んだ事はありません…誇りに思っています。………亡くなった母から聞きました。私の父もまた平和を望むからこそ人間に手を貸したのだと。種族関係なく皆…平和を望んでいると……私たち人間だけが幸せになっていいものなのでしょうか???それでは………魔族と何も変わりません。再び争いが起きます。私たちが変えなければいけないんです。」
誰も反論する者はいなかった…いや…空気がそうさせたのか…
「彼は私たちの橋渡しの為に…」

聖女がそういうと…
奥の扉が開いた…

聖女と同じ美しい髪をもち…青い鱗の皮膚をもつ朱い瞳の男がそこに立っていた…
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