風使いアシュレイ
月日はたち…
人間達は…異種族の力を借り…
領土を広げていった…

これは全て聖女の兄ジークハルドの手腕といっても過言ではない…
彼には戦の才がそなわっていたのだ…そして聖女と同じく光を放つ力が…

初めは恐怖の目で見ていた人々も…

尊敬へと変わっていった…

もちろん四勇者も負けてはいなかった…
が…何かが明らかに違うのは人々の目にも明らかだった…


そんな…ある日…
人々に激震が走った…
ジークハルドが魔族に捕らえられたのである…

四勇者が捜したが…
どこにも足跡がなく…
それは…まるで忽然と消えてしまったようだった…

聖女は後悔した…
自分が戦争に巻き込まなければ…こんな事には…

しかし悲しみに落ちている時間はなかった…

魔族との全面衝突が…迫っていたからだ…

「私が彼の代わりに…」
声を張り上げたのはアシュレイだった…

「安心して下さい。必ずや勝利してまいります。」

彼の約束は次々実現された…かつての…ジークハルドのように…

しかし聖女に笑顔が戻る事はなかった…
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