短編置き場・2
ロミオは熱を持ったサユリの足首を、柔らかい肉球でポニポニとマッサージした。

(あっ、快楽!)

サユリは思わず声を漏らしそうになり、あわてて自らの口を手で塞いだ。

診療所を出るとき、サユリは保険証もお金も持ってきていないことに気づいた。

「犬先生、代わりにこれを」

彼女はちょうどポッケに入っていたコンビーフをロミオに差し出した。

ロミオの目に、野生の炎が燃え上がったのを、少女は驚きを持って見つめるのだった。


    おわり
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