短編置き場・2
「ねえ野島君、最近ザクの発注が減っていると思わんかね」

「ああ、そうかもな。むこうのラインがまたひとつ、ゲルググに変わったみたいだ」

「まったく!上のやつらはザクの本当の素晴らしさがわかっちゃいないんだ」

煙を吐きながらそんな話をしていると、けたたましいサイレンが響き渡った。

『警報、警報。連邦軍がこの工場に近づいています。全員、すみやかに裏山の防空壕に避難してください』

「なんてこった。こんな田舎のコロニーにもお目こぼしなしかよ」

野島は毒づいて、タバコを灰皿にねじ込んだ。
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