短編置き場・2
俺は狙いを定め、引き金を引いた。

バン!まず最初の一人の頭を吹き飛ばした。

血や骨や肉や脳漿が空に飛び散る。

頭をなくした小さな体は、くるくると旋回しながら地面に落ちていった。

続けて何発も、とめどなくライフルを撃つ。

そのたびに空中で嫌な花火がはじけ、数秒後に花火の忘れ形見が大地にぶつかり鈍い音をたてた。

空を飛び回っていた小さな破壊者が残すところあと一人になった時、俺の目の前に30代なかばくらいの女が立ちふさがった。

「お願いです!マナミを撃たないでください!あの子は、本当は心の優しい、いい子なんです!」

どうも、最後の小学生の母親らしい。

俺は「規則ですから」と感情を込めずに返事をして、銃口を空へ向けた。
< 39 / 41 >

この作品をシェア

pagetop