短編置き場・2
二人は苦い思いを紛らわそうと、社長から貰ったチューインガムを噛んだ。

チューインガムの味がなくなった時、苦い思いも消えているのか・・・

それは二人にもわからなかった。

味の消えた後を想像してチューインガムを噛む者など、この世にはいないのだ。

二人の口の中で、それはゆっくりと味を失いつつあった。


     おわり
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