黒板とノートと三角定規
寝ようと思って、布団に潜り込み、うだうだしていると、ドア越しから、
母と、妹の楽しそうな声が耳に入ってきた。

もう、何年…私は母に、笑顔を貰っていないんだろうか…


振り向いて欲しくて、笑って欲しくて、抱きしめて欲しくて。


幼い頃いつも、母のエプロンの裾掴んでいたっけ…


それも、今は叶わない願いに変わってしまった…


あの日を境に…


「チッ」

小さい舌打ちをして、シャワー室へ駆け込んだ。


どうせ、リビングには私のご飯は用意されていない。


行くだけ無駄なのは、分かりきっていた。



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