黒板とノートと三角定規
そんな、ふわふわとした笑顔をする先生を、この恋に恋してるお年頃の女子生徒たちはほっとく訳もなく、クラスの女子が一斉にみるみるうちに、表情が変わるのがわかった。
あほくさ・・・
たぶんあたしだけなんだろうな・・
海野先生が話してる事を聞きもせず、窓をながめていたのは・・
「それでは・・今日はテストの予定だったが・・前回の授業の復習と先に進めたいとおもう。」
手短な、挨拶が終わり、海野先生を紹介した先生は教室を、義務を果たしたかのように去っていった。
やっぱり・・帰ればよかった。
この新しい先生がいくら、陽だまりの笑顔をして授業をしてても・・
根本的に数学が嫌い・・
ちっとも頭の中に入りこむ気配はなかった。