黒板とノートと三角定規
「リンカ…あたし帰るから。」

そんな言葉に、きょとんした表情で、どうしたの?
なんて顔でこちらを見ている。


「あの先生に、急に気持ちいっちゃってるみたいだら。
あたし帰るよ」


「え〜ッ!ダメだよ。
あの先生は、心の癒しよ。放課後会うのは、これから彼氏になるかもしれないんだからさ。
そんな事言わないでぇ」

さっきまで見つめていた、鏡をほうり投げて、慌てて私の腕にしがみついてきた。


「そもそも、そいつ…好きなの?」

「もちろんよ!ナンパされたんだけど、イケメンよ。イケメン亮くん。

美香に見て貰って、決めて欲しいのよ。」


ったく…
呆れ返るぐらい

リンカは、恋に落ちやすく、そして

冷めやすい。


どうせ、またいつもの様にすぐに飽きてしまうのは、解りきっていた。




< 20 / 64 >

この作品をシェア

pagetop