黒板とノートと三角定規
その集団の先には昨日赴任してきたばかりの海野先生がいた。

相変わらず蜂蜜のような甘い笑顔に、柔らかそうな髪が風になびいている。


本当に彼の傍にいたら、恋をしてしまいそうなオーラーを発しているんだ。


「おっはよー!美香!」

「あーリンカおはよー」


ゴムまりのように弾みながらリンカが声をかけて来た。


「もぉ。海野先生人気者だよ。私が最初に目をつけたんだけどな・・」


って・・目をつけた、つけないの、問題でもなさそうなんだけどな・・


周りの先生方が、女子生徒を大声で注意を促し教室へ入るように指示をだしていた。

「ふふ。美香!うざいの教室は入りだしたよ?今がチャンス!!
挨拶言いにいこ?」


「あたしは別に・・・リンカ一人でいきなよ」


「えーー!!一緒に行こうよ?ね?」


そう言って私の右腕をグイグイと引っ張りながら、海野先生のとろへ・・



本当あたし・・挨拶なんてかったるいし、したくないんだけどな・・




まして、数学担当だよ?


蕁麻疹ものじゃん・・







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