【短編】弁当男子とバレンタイン
「ほい。」


目の前に2枚のチケットが差し出された。


「…世界のチョコレート展?」


「明日彼女と行こうと思ったんだけど、風邪ひいちゃって無理になっちゃったからさ。やるよ。優介と行ってこい!!」

「へ〜。いいじゃん、あやめ!!」

「む…無理だよ!!誘えないって!!」


いきなりお誘いなんて、絶対失敗するよ〜…。

「ん〜、笠原は消極的なコだな〜。…ちょっと1枚貸してみ。」


巧君にチケットを1枚返すと、小走りで酒井君の方へ向かう。


「ちょ…!たくみく…ふがっ!!」


思いっきり綾に口をふさがれた。


「い〜から。巧にまかせなさい。」


そ…そんな〜。
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