オリジナル・レイズ
「今夜も暑いな」
渡先生が私に言う。
「あの星を発見したのは君だって言うのは、本当かい」
…どういう意味?
私は何も答えずに、全くんの方を見た。
全くんは困ったように話す。
「星がこんな速度で滅んでいくのは前代未聞だから、発表したらどうだって先生が…」
…発表??
「高遠の名前でも、君の名前でもいい。これはすごい発見だよ。売れると思うけどね」
売れる?
その言葉に私は即座に反応した。
「・・・お金ですか?」
「いや、そういう意味じゃなくて・・・」
渡先生が何か言おうとしたようだったが、私はそれを遮り立ち上がった。
「珍しい死に方をしてたら、世界中に晒して、死んでいく本人の気持ちはどうでもいいの?死んでく姿を売るってどういうこと?なんでそんなことができんの!?」