オリジナル・レイズ
「おちつきなさい、君、死んでいくって…アレは星じゃないか」
――“アレ”?
星だったら、死んでいく姿が世界中にさらされてもいいの?…
きっと、
昔の私だったら、何が何でも発見されたかっただろう
死んでいく過程でかまわないから、私の姿を誰かに見つけて欲しかっただろう
誰にも知られないまま一生を終えるなんて嫌だった。
でも今は――…
「…昔、HIV感染者だと発表された人は、死ぬまでその姿を晒され続けました。それはあの星と同じ、
珍しい死に方をしていく人間だったからですよね」
私は先生に向かって言った。
「お金や名誉や…自分の都合の為だけに他人の命に踏み込むなんて、私にはできません」
それだけ言い、私は二人の前から去ろうとした。
二人の横を通り過ぎた直後、背後から呼び止める声がした。
「ツバサ…ごめん」