オリジナル・レイズ
100億年ものながい間
私は本当に本当に一人ぼっちだった。
惑星や衛星として引き寄せてくれる引力はおろか、
見つけてくれる生命体さえいなかった。
ちっぽけな星として
こんな場所に生まれたばっかりに…
誰が…
見つけてくれたんだろう。
嬉しかった。
ただそれだけだった。
最初のうちは。
――だけど…
見てしまったんだ。
目を閉じて、心を澄ましていたら、見えたんだ。
天体望遠鏡を覗く、
優しくてあたたかな瞳。
…純粋な心。