オリジナル・レイズ
【存在証明】
二人で天文学部の活動を始め、夏休みを迎えた。
天文学部と言っても…目標も課題もないお遊び活動のようなものだ。
――周りから見れば。
私達がやっていることは、とても大切なこと。
二人が生きている事と、ここにいることの証を残しているのだ。
夏休みなのに、夜になっても学校は賑やか。
休み中は校内で合宿する部もいくつかあると、全くんは教えてくれた。
それでも、時間が遅くなればなるほど、生徒の声は聞こえなくなった。
「空、違うな。初めて会った時と」
全くんが言う。
また不思議なことを言ってると思い、私は
「当たり前でしょ、季節違うもん。あの時まだ5月だったし」
と突っ込んだ。
「そうじゃなくてさ…こうやって二人で見ると、なんか違うふうに見えるなって言ったの」
全くんが照れてる。