オリジナル・レイズ
日に日に痩せていく体。
左側の首筋や腕に見られる帯状疱疹。
そして、たまに全くんは立ったまま眠ってしまいそうになる。
「明日は検査なんだ。終わったらすぐ、ココに来るからな」
ゆうべそう言ったきり、まだ全くんが来ない。
また、入院なのかな。
私は一人、真夏の星空の下病院へ向かった。
今日は病室を聞いていなかったが、前回とその前が同じ病室だったので、今回もそこだろうと思いエレベーターに乗った。
高遠 全
全くんの名前がある。
合ってて良かった。
ノックをしようとしたその時――
「ツバサちゃん」
私のことを待っていたかのように、エレベーターの陰から全くんのお母さんが出てきた。