オリジナル・レイズ

ホストのような男の人が先頭を歩き、その後ろを女の人たちがぞろぞろと続く。

ホストの追っかけ?

一瞬そう見えたのだが、違うようだ。



団体が目の前を通過していく。

何となく、再度視線を地面に落とした。



男の人がメモ紙のようなものを見ながら、近くに止まっている車一台一台に挨拶し、お金を渡す。

お金を受け取った人は、その紙にサイン。


そしてメモ紙を見ながら、団体の女の人達を車に振り分けている。



「風俗嬢やキャバ嬢の送りだよ。仕切っている男は店の従業員。車は全部、送りの契約してる車。
男が持っている紙には、送迎代やら担当ドライバーの名前やらが書いてあるんだろうな」



不思議そうに目で追っている私に、先生がそっと教えてくれた。

…こんなことにまで詳しいのか、先生は。



「髪型や服装からして、あの団体は風俗嬢だな」



先生が言い終わらないうちに、私は思わず立ち上がった。

全くんの、お母さん…


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