オリジナル・レイズ
従業員の人達も含め、周りの人たちは唖然としている。
女の人は、皆同じくらいの年代の人ばかりだ。
その中で私は、全くんのお母さんの目の前にしわくちゃになったカードを突き出した。
「…全くんが病院で拾ったそうです。彼、泣いていましたよ」
全くんのお母さんは、しばらく止まったまま何も言わなかったが、震える手で静かにカードを受け取った。
「…最低な母親だって言いたい?」
うつむいたまま呟く彼女を、黙って見つめる私。
「障害者手帳なんかもらったって…医療費助成や給付金じゃ、足りないの。これから、もっともっとかかるようになる」
「・・・・・・・」
「おばさんじゃね、もう高く売れる歳じゃないから…そうよ、あなた、そんなに全のこと想っているなら、あなたが全の為に体を売ればいいじゃないの」