オリジナル・レイズ

「…ッやめてぇぇぇっ!!!」


私は叫び、耳を塞ぎ、目をつむった。



私の体は汚れてた

汚れた体で幼い全くんを抱きしめてしまった


故に汚れが全くんにうつってしまった



全部全部全部、私が犯した罪

全部私のせい―――



「ツバサちゃん!!!」





その時、


先生が思い切り私の体を抱きしめた。




懐かしい香りがした。



「君が、苦しむことはないよ。汚れてなんかない。汚れていたのは、周りの人間の方だ」



淡々と話す先生の低い声に、私はただ、涙を流していた。


< 155 / 220 >

この作品をシェア

pagetop