オリジナル・レイズ
先生、ずっと気づいてたの?
なんでもっと早く言ってくれなかったの?
いつも先生は、確信を突く言葉を黙ってるね。
それが先生の優しさだってことは知っていたけど…
私は100億歳の星じゃなかったんだ。
そりゃ100億年分の記憶はあやふやで
すべてを憶えているかと言われれば自信はない。
だってまったく同じ毎日だったんだもん。
真っ暗な空間にただ浮いて、
毎日星を眺めるだけの…
そんなつまらない毎日の中で、ふと見つけたの。
国中の誰もが私を汚れ物扱いする中、たった一人だけ、私を一人の人間としてみてくれた男の子。
純粋な瞳で星を探す彼。
純粋なまま成長してた。
私が死んだら星になるなんて、
嘘みたいな話さえ本気で信じてくれた彼。
本気で、私を探し出そうと夜空を見上げる全くんを…