オリジナル・レイズ
「ツバサちゃん、高遠には言ったんだけど…あの天体望遠鏡は先生の宝物なんだ」
抱きしめながら、優しく囁く先生。
言葉の意味がよくわからず、黙っていると、先生は続けて話した。
「…だって、人は死んだら星になるんだろ?」
先生の声は、かすれて涙声になっていた。
・・・・・・・・・・。
…先生も、
あの天体望遠鏡で毎晩星を探していたの?
私、馬鹿だね。
全くんだけじゃなかった。
どうして気づかなかったんだろう。
こんなに強く想ってくれている人に囲まれて、
それでもなお孤独だと嘆いてた。
制限時間つきの命
だけど
私、もう一度生きることができてよかった。
もう一度人間になれてよかった。
こうして、
私を探してくれている人に出会えたのだから。