オリジナル・レイズ
そんなひとりよがりな行為に、先生は嫌な顔ひとつせず、毎晩付き添ってくれた。
そして、白い星の周りから美しいガスが広がり始めた頃、
夏休みは終わり、9月に入っていた。
残暑でまだまだ暑いが、それでも夜遅くなればなるほど涼しい風を感じる季節。
私は、夏にあった出来事を思い出しては寂しさを覚えるようになっていた。
「夏の終わりって寂しいよな」
先生は私の心の中を見透かすように呟く。
「本当ですね…」
暑い季節は活発に動き、冬は静かに終わりを待つ。
それが遠い昔からの生き物の性だ。
動物も、植物だって同じ…
そして再び暖かくなった時、眠っていた命は目を覚ましてゆく。
これから数多くの命が、眠りに入る準備をするのだ。
多くの生き物が発情する夏。
それが過ぎてゆく瞬間に寂しさを覚えるのもまた、生き物の性だろう。
生き物の性。
私は今、生きているんだなって実感する。