オリジナル・レイズ
【きえいろ】
――深夜。
私は、今日のできごとを一人思い出し、中庭の芝生にごろんと寝転がった。
高遠 全…
全くん。
本当に会ってしまったんだ。
不思議なチカラで。
未だに信じられずにいる。
ここは、時間の進み方がすごく早い。
頭の上で、星座がぐるぐる動いていく。
私を乗せて、この星は今猛スピードで自転と公転をしてるんだ。
私は仰向けになったまま、右手を夜空へ伸ばした。
「…私、本当にこの星の人間になったんだ…」
しかし声の主は、強い恒星の光に当たらない時間帯だけだと言っていた。
つまり夜だけ。
朝になったら、私どうなるんだろう。
そんなことを考えながら、
私は、ついさっきまで隣にいた、全くんのことを思い出していた。