オリジナル・レイズ
目の前にある歩道の真ん中で、すみっこにも行かず堂々と取引している。
声は小声だが。
背の高いスーツの人と、白いミニスカートに黒のニーハイソックスを合わせた金髪ボブの女の子。
そういえばニーハイソックスの女の子多いなぁ…とか呑気に考えていたのだが、はっとした。
忘れるわけがない。
あの金髪ボブ…
全くんの悪口言ってた女のうち一人。
全くんのこと、女喰いまくってるとか相当ヤリまくってるとか言ってたくせに…
それはあんたの方じゃない!!
思い出した途端に怒りが込み上げ、私は立ち上がって二人に近づいた。
私の存在に気づき、明らかに動揺する金髪。
私は彼女を睨みつけ、呟いた。
「サイテーだね」
「ち、違っ…」
「どーしたのよマミコ」
遠くから聞こえてきた、聞き覚えのある声。
細いデニムに黒パンプスの、茶髪白メッシュ…
この子たち、私服でいつもこんなことやってるの?